…なんだ、眠れねえのか?仕方ねえな。ほら、ちゃんとベッドに入って。
布団はしっかり肩まで掛けるんだ。
(電気を消して、枕元にキャンドルを置く)
……キャンドルの小さな光は落ち着くだろ。
ぼんやり火を眺めるだけでも落ち着いてくる。真っ暗な中にいるより眠気を誘わねえか?
(布団をぽん、ぽんと優しく叩き)
…こうしてると、○○、子供見てえだな。
昔、アルが眠れないって毎晩駄々こねるからこうして寝かしつけてやったっけ…。
懐かしいな…。
あいつもいつまでも寝ようとしなくてさ、絵本は何冊も読んだし、子守唄は飽きたって怒られるくらい繰り返し歌ったし。
…一番効果的だったのは、抱き締めて一緒に寝てやること、だったな。
なんでも、寝たら俺が帰っちまうと思って寝付けなかったんだと。朝まで俺にしがみついて眠ると、安心して寝れるんだそうだ。……はあ……アル、昔はこんなに可愛かったのになあ……。
…………抱き締めて、か……。
……
(頭を優しく撫で)
……はは。や、まさか抱き締めて寝るわけにいかねえし………うん…
…そうだな。眠くなるまで、昔話でもしてやるよ。
お前、たまに俺の長話聞きながらうたた寝する時あるだろ。
子守唄や絵本よりも、俺の下らない昔話のがお前にゃ効果的みてえだからな?
……ほら。目ぇ閉じろ。
頭ん中からっぽにして、俺の声だけ聞いてろよ。
(なでなで)