(私はいつも、倉庫にある樽の中に隠れていた。でもその日は樽には入らず、倉庫にただぼんやりと座っていた。私の油断が、招いた事故。)
(倉庫にやって来た敵に、人質として捕まってしまった。倉庫の見張りであるクルーが、敵の足元に倒れ込んでいた。)
「ははは!!この女がカークランドの弱味だという噂は本当だったようだな」
(ぐり、と、こめかみに固い銃口が当てられる。)
ち……違ぇ…!その女は何も…
「なら俺を殺しに来ればいいだろう。その片手に持ってる剣でな。お前ならすぐにでも俺を殺せるだろうが!まぁ、その代わりこの女も死ぬ事になるけどな」
………ッ…
(がくがくと足が震える。怖い。怖い。)
「おい、この女を俺の船に乗せろ。逃げないように足でも切っておけ。」
…!!
おい!!ふざけんな!!やめろ!!
「動くな!!」
(銃声が聞こえて、足に激痛が走る。撃たれたのだ、と、理解した瞬間、私は意識を失った。)
(意識を失う瞬間、アーサーの私を呼ぶ悲痛な叫び声が聞こえた。)
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