(思い出したと同時に、がくがくと体が震える。)
ああ…すまん…。思い出したんやな?
…すまん。大丈夫やから、大丈夫やから、そない泣きそうな顔せんで。
(背中を優しく擦られる。)
……あんな、震えとる君に今言うべきちゃうかもしれへんけど、俺も海賊やねん。
あの日、君を浚った海賊に……その、…お、俺から喧嘩ふっかけてな?
で、俺が勝って…船に、頑丈に鍵かけられた部屋があって…そこに君が居ったんや。
最初、あいつらの仲間か思て、殺……ゲフンゲフン。えっと…仲間かと思ったんやけど!
足の怪我…手当てもされんで放置やったし…仲間やったらちゃんと手当てするやろ?せやから、どっかの街から浚われて来た子なんやろなって思って…見て見ぬふりなんて出来へんくて…
でもな、安心したってや!!
俺は海賊やけど!君に乱暴せぇへん。約束する。
俺、色んな街行ったりするから、そのついでに君の事も家に送り届けたる。
なっ?
せやから…この船に居って欲しい。嫌や言われても、回りは海やからどうしようもでけへんけど……
信じて。お願い。
(手を差し出された)
手を握る