……俺が守る、指一本触れさせない、だなんて、一番の侵略者であるあなたが言うか、っていう話ですよね。…やれやれ。
しかし危険なのは確かですね。癪ですが大人しくしていましょう。
……霧が出ていない、と言っていましたね。私が閉じ込められていた部屋には窓がなくて、外にも出れなかったので気付きませんでした…。
………この島の霧は、……私が作り出しているものです。
いえ、私が……というより、この島の神様が、でしょうか。
毎朝、島の奥地にある、神様を祀っている本殿へと私が毎日お祈りに行っている事は知っているでしょう。
本殿へと毎日のお祈りをする事により、島には結界のように霧が現れるのです。
この島の神様が、島を守っているんですよ。
アーサーさん達が来てから、私は本殿へ行けていません。
…恐らく霧が出ないのはそのせいかと……。
…………困りましたね。
本当に……困りました。
……。
(ぎゅ…)
………いいんですよ。私は、この島など、どうなっても。
こんな、古いしきたりに縛られた島など…遅かれ早かれ、いつかは消えてなくなってしまうものです。
私は…○○、あなたが…あなたの身に何かあったら…それが怖いんです…。
いいんです、私はたとえ殺されようと…。
…財宝、など………そんなもの……。
………。
(そのまま菊さんは黙り込んでしまった。苦しいくらい、強く抱き締められる。)
(船の外から銃声と悲鳴が聞こえる。それが怖くて、強く目を閉じて菊さんにすがり付いた。)
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