(数時間後、アーサーが部屋へ戻って来た。)
英「大丈夫だったか?」
日「…ええ。その、敵襲とやらは?」
英「もう大丈夫だ。ふん、あの程度敵襲のうちにも入らねえ。カークランドの海賊団を甘く見てもらっちゃ困るな。」
日「そうですか……。」
英「………菊。これは脅しでも何でもない。よく聞け。
ここの島は俺達海賊の間ではだいぶ有名になっていてな。このご時世情報なんざ金を払えばいくらでも手に入る。
この島へ出入りしているという商人がどこの誰かって事もすぐに調べがついたし…
まあ、その商人は金を積んでも口を割らなかったがな。
…家族がどうなってもいいのかと聞けば諦めてこの島のことを話したが。
…恐らくこれから先も、また今日のように海賊船が島へ乗り込んで来るだろう。時代は進む。霧で隠すだけじゃこれから先、島を守り続けるのは困難だ。
そこで提案だ。
"この島は、俺達カークランドの海賊団が占拠して財宝もとうに捕り尽くされた"って話を流すんだ。
俺に立ち向かってくるような馬鹿なやつは中々いないからな。それに財宝もない島へわざわざ来るような暇人もいないだろう。とりあえずは安泰なはずだ。
万が一んな馬鹿がいても、今日のように俺達が追い払ってやる。」
日「……島を守ってやるから、財宝をよこせ、と。」
英「That's right.どうだ?」
日「…以前から、商人の方にもこの島は危機感が薄いと言われた事があります。島を守り続けたいのならば武装するべきだと。」
英「そうか!なら、」
日「………はあ。…………断ってもあなた方は引かないでしょう。
仕方ない。来て下さい、案内します。あなた方のいう財宝、とやらを見せて差し上げますから」
(「え、き、菊さん、いいの?」)
日「…見せないと納得して貰えないでしょうからね。○○、あなたも来なさい。…本殿へ行きますよ。」
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