(……明日でちょうど1ヶ月かぁ。)
(夜。眠れずに海岸沿いを散歩をしていた。
停泊している海賊船が騒がしいのが外からでも分かる。明日の出発のための準備をしているのだろう。)
(海岸沿いには簡易な小屋が建てられ、中には大砲が設置されている。アーサーさんが置いていったものだ。他にも武器庫が作られ、銃や爆薬が保管されている。
島を守る、といった約束通り、今後は島周辺の海域のパトロールの徹底、出入りする行商人はアーサーさんの知り合いを紹介すると言われ、脅された程度でこの島のことを話すような商人とは手を切れ、との事だった。
船員さんも何人か島に残るらしい。菊さんは反対していたけれど。)
(…………この島の外へ興味が無いと言ったら、嘘になる。
私はこの島の景色しかしらない。
人で賑わう市場や、大きな街だって見たことはない。
行ってみたい、そんな気持ちはある。)
(…けれど、菊さんを置いて行くなんて)
(………。)
→