名前:アーサー

スコーンの数172個目

撫でる!

(そして、あっという間に二日が経ち、早朝。
その日は胸騒ぎがして、また早く目が覚めてしまった。寝床にオリバーさんの姿はない。
外へ出ると、霧が晴れている事に気付き、もしかしてもう帰ってしまったのではと慌てて浜辺へと走った。
浜辺へ行くと、いつもの場所にオリバーさんが立っていて、安堵のため息が出る。

海を見ると、少し遠くに大きな船が見えた。いつもの商人さんの船より大分大きいような気がする。船はゆっくりとこちらへ近付いてくる。
……なんだか、船の様子がおかしい、ような。

……あれは、あの船は、いつもの商人のおじさんの船ではない。
なら、あの船はなんだ……?)

(船を見つめ立ち止まる私に気付いたオリバーさんが、海を眺めるのをやめてこちらへゆっくりと近付いてきた。)