(恐る恐る。怖いもの見たさで、牢屋のある地下室の扉を開ける。)
……!! ○○!!
(私に気付いたアーサーが駆け寄ってきた。鉄格子ががしゃん、と音を立てる。)
俺に会いに来てくれたのか?だよなあっ、あいつらがいたんじゃゆっくり話しも出来ねえしな!○○、体の調子はどうだ?魔法が掛かってから体調悪くなったりしてねえか?顔色は良さそうだけど、なんか元気なさそうだから…大丈夫か?
…ああわかった、俺がいなくて寂しかったんだよな。
ごめんな。こんな鉄格子が無けりゃあすぐにお前の事抱き締めてやるのに。めちゃくちゃに抱いてやるのにな…ああでも、この鉄格子中々イイんだぜ。なんつーか、こう、こっちから見るとな、お前が閉じ込められてるみたいに見えてさ、少し興奮する…。
俺、いつかはお前をこういうとこに閉じ込めてずっと大切に一緒に暮らすのが夢なんだ。ああ勿論こんな暗い部屋じゃなくもっと綺麗で広くて明るい部屋だから安心しろよ!だって俺達が暮らしていく夫婦の部屋だぜ?こんな湿ったれた部屋なわけないだろ、俺達の愛の巣はな!
(一人でぺらぺらと喋り続けるアーサー。
……失敗した。来たのは間違いだった。そのまま後ろ歩きで下がり、部屋を出て、そっと扉を閉めた。)
○○っ!○○!!なんで出てくんだよ!!まだ話は終わってねえぞ!!○○!照れてんのか?仕方ねえやつだなあ、いつものお前と違って別世界のお前は照れ屋なんだな!そこもすげえ可愛いと思うぜ!なあっ、顔が見たいんだよ!もっかい入って来いよ!なあ○○!おい!こら!!顔見せろっつってんだろ!!○○!!!
(鉄格子が荒々しく音を立てている。こ、こわい……慌ててその場をあとにした…)