名前:アーサー

スコーンの数172個目

撫でる!

(──油断をするな、とみんなに散々言われていたのに。屋敷の中ならきっと大丈夫だろう、なんて甘い気持ちが心にあった。そのせいだ。

強く腹部を蹴られて、うずくまる私に銃を突き付ける男の人。それでも私もなんとか携帯していた銃を取り出して、相手へと突き付けていた。
相手と睨み合う時間はきっと数秒程度だったけど、何時間にも感じた。
ああ、撃たなきゃ。撃てるの?人を殺せる?私に。)


──撃たんのか。


(背後から声が聞こえたのと同時に、目の前の男の人が吹っ飛んで行った。)