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……。
…もし、本当に我輩が貴様を撃ち殺すようなことがあれば、リヒテンは泣いて叫んで悲しむだろうな。
我輩のことを、恨むかもしれん。
認めたくはないが、リヒテンは貴様を好いている。
だが、その好き方に問題があるのだ。
あれがただの友情だのなんだのでないのは、貴様が一番よくわかっていることだろう。
リヒテンは国で、女性だ。
そして○○、貴様は人で、女性だ。
こんな蕀の道を妹に歩ませたくないのは、兄として当然であろう。
そもそも国として一人の人間に恋い焦がれるというのは、それだけで問題なのだ。
例えば、もしお前がスパイだったとしたらどうする?
リヒテンはお前に聞かれれば、もしかすると何か情報を漏らしてしまうかもしれない。
…リヒテンをそんなふうに育てた覚えはないが、可能性としては考えておかなくてはならない。
……リヒテンは、我輩が止めても聞かんだろう。
しかし、だからと言って止めないわけにもいかないのだ。
我輩はリヒテンの兄であるからな。
例え、リヒテンが喜ばなかろうと、我輩がリヒテンの兄である限り、貴様を認めるわけにはいかんのだ。
→
…分かったよ。二度と妹さんには近付かないと約束する。その代わりあんたも二度と私の前に現れないで。