今度は警察の人が、俺に声を掛けてきた。
『君、この娘のこと何か知らないかな?』
見ると警官が少女を連れている。歳は俺と同じか、少し下くらいだろうか。
『どうもショックで口が聞けなくなっちゃったらしくて…。他の住人さん達にはもう一通り聞いて回ったんだけど、誰も知らなくてさ…。』と警官が言い終わるか言い終わらないかぐらいで少女が警官の裾を引っ張り、俺を指差す。
『お?この人知り合い?』
『え…?』
ほうける俺を他所に、少女はこくこく頷くと、警官に一度お辞儀をし、俺の方へ走ってきた。
『いやぁよかった…。こっちでもこのこのこと、調べておくから。多分この辺の娘でしょ?知り合いなら少しの間彼女を宜しくね』
ちょっと待ってくれと言おうとした瞬間少女が俺の服の裾を引き、何かを訴えようとしている。
『はい。この子従兄弟なんで。こっち遊びに来てたんだね』
うまく合わせておくことにした。
ネカフェにて