『で?君は誰?』
まさかこんなことになろうとは。俺は今あろうことか、先ほどの少女を連れてネカフェに泊まっている。家ないし。
唐突に、頭のなかに声が置かれる。
(名前はなんと発音すればよいのか…好きに呼んで下さい。私は、違う星から来ました。)
なんだこの電波少女は。
いまさらだがどえらい拾い物をしてしまったようだ。
『え?ちょっと意味が…ていうかコレなに?テレパシー?』
少女はこくりと頷く
(私の母星の諜報部に追われているのです。私がアカシックレコードを頭に入れてしまったから)
『アカシックレコード?…ってアレ?これから誰に何が起こるか書いてあるっていう…まさか』
(実際には知識の塊、といった感じでしょうか。この世の全てを知ることが出来ますが、言われのように、未来を知るようなことは不可能です)
『そ…そうなんだ?で?何で俺…?』
(なんとなく…)
なんとなくかよなんだこの途方も無い無計画さは…
『ていうか諜報部とか無理だし、向こうプロでしょ?警察とかに任せたほうが…』
(あなたはこういうことを信じてくれるでしょう?彼等には聴き入れてもらえません…それに、諜報部といえど、この星の人ように屈強な人達ではなく、あそこの…)
そういって少女は明らかにDQNであろう客を指差す
(あれぐらいです…)
『なんか逆に俄然無理だわ…』
少女の逃亡を手助けするハメになりました
ネカフェにて