(帰り道、澪、律、紬の三人と別れた後も、梓は道案内と称して家の近くまでずっと付いてきてくれていた。)

………

えと、この道をまっすぐ行ったところが駅ですから、〇〇先輩の家はあっちですね。
ここから先はもう分かりますか?……そうですか、それじゃあ私はこの辺で…っ

……あ、あの…えっと…っ

………

や、やっぱり何でもないです!
それじゃあ、失礼します!

……ぁっ!
(振り向きざまに走り出そうとしたところ、体制を崩してしまった梓は転びそうになった)

『危ない!』
中野梓の邂逅36