ミサカはまるでメ〇ルギア〇リッド3のヴォルギン大佐を思わすような素振りで放電していた。彼女はどうやら能力者のようである。
彼女が放った電気は男達の体を巡っていた。
「げごぎゃああああ!?」
彼女が放電をやめると男達は倒れ伏した。どうやらスタンガン並には電力があるようだ。
私はその場を見て立ち尽くしていた。
ミサカは私の元へと歩いて来た。来たら、なんと話して良いべきか。
「怪我はありませんか? とミサカは心配そうに見つめてみます」
「あ、いえ、私は別に、それよりあの人達は……?」
「大丈夫です、ショックで気絶しているだけです、とミサカは親指で後ろの暴漢達を指差しつつ質問に答えます」
なんと言うべきか、今の彼女は凄くクールビューティーであった。正しく武装天使といったところである。
とりあえず、銃を使わなかったのは喝采に値する。どちらかと言えば風船より今使うべきであると思うのであるが。しかし、終わった事であるし置いておこう。
「強いんですね……ミサカさん」
「はい、私はお姉様こと、超能力者、御坂美琴の軍用クローンですから、とミサカは強さの秘訣を教えます」
「美琴……美琴の……軍用クローン…………?」
御坂美琴……彼女を知らない人間はこの学園都市で一人もいないだろう。
この学園都市で数人しかいないレベル5の第三位、レベル1から努力の積み重ねでレベル5へと大変貌を遂げた人間。その人のクローン……? クローンは日本国内では禁止のはず、いや、半独立国家状態にある学園都市内であるなら、可能? しかし、軍用クローンとは……。
「ミサカさんは本当に、御坂美琴さんの軍用クローンなのですか?」
「あの銃を見ても、分からないのですか? とミサカはあなたの過去の記憶をここへと引きづりだします」
「……!」
そうである、彼女は風船を取る時に銃を持っていた、ただの市民であるはずがない! それに高い木から落ちた私を受け止めたり、あの大男をたった一蹴りで打ち崩したのも軍用クローンであると言われればなんら不思議ではない。やはり彼女はあの御坂美琴の軍用クローン……!?
「なるほど……あなたは、軍用クローン……」
「そういうことです、ついでに検体番号は一〇〇三二号です、とミサカは何気なく検体番号を伝えてみます」
「と、いうことは他にもクローンが学園都市に……?」
「はい、そういうことです、とミサカは肯定します」
一体、なんの目的でクローンを? やはり、スターウォーズのクローン・トルーパーやストーム・トルーパーのように優秀な戦士の遺伝子を利用したクローン兵の軍事利用、というのが妥当であろうか。まぁ、いずれにせよ、わかることであろうし、第一教えてくれないだろう。相手は何処かの役人よりも頭が固いクローンだ、そんな簡単にで教えてくれるはずがない。
「ミサカさん、いや、御坂妹と言ったほうが良いかな?」
「はい、大体合ってるので問題ありません、とミサカは微妙に違うと思いつつもそれで良いという答えを出します」
「ありがとう、ではこれから宜しくお願いしますね、御坂妹さん」
「はい、宜しくお願いします、とミサカは軽くお辞儀します」
そろそろジャッジメントがあの暴漢達を捕まえに来るはずである。このままだと職務質問されかねない。そろそろ帰ったほうが無難であるかもしれない。
「そろそろ、私は自宅に帰ります、また、会いましょう御坂妹さん」
「また、会えたらですが……とミサカは背を向けつつ片手をあげて答えます」
なんだか意味深である。
「会えたら……か…………」
私はこの言葉になんだか嫌な予感がしていた。
【
自宅へ帰る】