名前:御坂妹

ミサカネットワークに記録された単語郡1

っプレゼント

「日差しが心地いいなぁ……」

 今日はいつもより天の日差しが強く感じる。これぐらいいい天気なのはこの夏休み中で一番なのではないだろうか。お陰で地面は乾いてしっかりしているし、草木も元気が良いと言わんばかりに日の丸のような太陽の日に当てられ輝いている。
 公園は学園都市でも唯一緑が多いところである。並木や花壇等はあっても、こういった一面緑に包まれた所はこの公園くらいであろう。

「さてと、準備運動でもするかなーっと」

 私は少し広い所で準備運動を始めた。準備を怠れば必ず悪しき事が起こる。自分の祖母の言うことを思い出しつつ、体を動かす。
 体を動かすとやはり心地良いもので、まるで体の邪を払っているような気分になれる。

「よぉし、そろそろ走りますかー」

 準備運動で軽く汗をかいた私は、本来の目的であるランニングをするべく、公園に設置してある「砂浜風ランニングロード」という所へ移動し、走る準備を始めた。
 それにしてもこの「砂浜風ランニングロード」は非常にありがたいものだ。砂浜でのランニングのような体験を出来るここでは、着地衝撃が少なく、脚に優しいし、キックの効率が落ち、より脚力が必要となり、脚力トレーニングにもなるし、不整地であるため、日頃鍛えら れない筋力も強化できるという3つの主なメリットが得られるからだ。
 やはりこういう施設がある公園が自宅の近くにあると便利である。贅沢を言う訳ではないが、もっと他にもランニングコースが増えてくれれば嬉しいものだ。

「ドリンク良し、ランニングシューズの靴紐良し、タイマー良し、低酸素供給器良し、オールグリーン!」

 私は確認するたびに声を出す癖がある。それは戦争映画の見すぎであるのは言うまでもない。
 私は低酸素供給器の栓を開け、口にくわえた。この低酸素供給器は周りの酸素を体に取り込む際、自動的に酸素の濃度を低くし、ランニングの効果を底上げするスポーツ用品である。これは元々、軍用として開発された物を市民用に改造し、販売している物である。これが売っているのはここ、学園都市だけである。それにしても、学園都市は便利なものばかりである。30年先を行く科学力は伊達ではない。

「3……2……1??ラス!」

 コースに着いた私は自分のラスの一声でランニングを始めた。
 1、2、1、2と、頭の中で声を出し、息をテンポ良く吐いたり吸ったりする。この走りのフォームは学園都市の警察組織である警備員アンチスキルのランニングトレーニングを参考にして創作したフォームで、効率や効果は普通のフォームの何倍も効果がある。しかし、デメリットとしてはやはり、通常より体力の消費を早めてしまうという点であろうか。

 あれから数十周走り、疲れが体に貯まってきた。
 そろそろドリンクに手を付けることとした。
 私は走りつつも低酸素供給器を口から外し、腰に巻き付けていたホルダーからドリンクを取り出し、二口程口に付けた。汗をかいている時のドリンクは普段よりも格段に美味しく感じる。もっと走ればもっと美味しく感じる、そんな期待を胸に秘めつつ、私は走り続けた。
 テンポ良く、走り続ける。
 すると子供が近くの木の前で何かをしているのが目に付いた。何事であろうか?

「風船がぁあああああああああ!! ちっくしょーめーっ!!」

 どうやら風船が木に引っ掛かってしまったようだ。周りの人は……助けようとしていない。どうやら自分の出番のようだ。
 私は走る向きを木の元へと変更し、子供の元へと走って行った。 

子供の元へ
公園へ