名前:ミスティア・ローレライ

焼いた鰻の数106本

鰻一本

現在2月13日の夜。まもなく14日に入るところ。
「うーん。また失敗。……なんでかなー。甘すぎたり苦すぎたり」
さっきからチョコを溶かして色々な方法を試してみること十数回。
未だに納得のいくチョコが出来ません。
「考えてみたら私、お菓子とか作ったこと無いんだよね。料理はするけど。……こんなに難しいとは思わなかった」
ただチョコを溶かすだけなら簡単なんだけど、流石にそれだけじゃ味気ない。
やっぱり大切な人には、精一杯頑張って美味しいものをプレゼントしたいと思うのが乙女心というもので――。
「はぁ……」
一人でやってもおそらくこれ以上のものはできないだろう。
と、なると誰かに手伝ってもらいたい所。
最初に思い当たるのは森の人形遣いなんだけれど、この時間では厳しいかもしれない。
「んー」
一応、もう一つ宛てはある。
でもあの人はなぁ。
「……そんなこと言ってられないか」
失敗作を齧っている今この瞬間にも時間が過ぎていく。
私の知る中では、こういうことに関して最も頼りになる人間。
あの人に教えを請う事にした私は夜空を飛び、目指す。

窓の少ないあの、紅の館を。



バレンタインイベント2