「さて、出店なら屋台の出番……なんだけど」
「いつもの奴で行くのか?」
「実はもう一つ小型のやつがあったんだけど、去年の夏祭りの帰りに壊れちゃって……」
「壊れた?」
「ちょっと弾幕ごっこの巻き添えにね……」
「いったい誰と」
「幽々子さんと……」
「うわぁ……」
ミスティアの視線がどこか遠くを向いている事から、それはきっと壮絶な戦いだったに違いない……。
「そ、それじゃあどうするんだ?屋台がないと出店できないだろ?」
「大丈夫、そこはもちろん考えてあるよ。と、いうわけで霊夢」
「なによ?」
「萃香を貸してくれないかな?」
「私に言われても知らないわよ。あいつは私の所有物じゃないし。それになんで私がわざわざそんな事を……」
「今度宴会に行ったときにお賽銭いれてあげるから」
「おーけー!分かったわミスティア!任せない!この私が縛り上げてでも連れて来てあげるから!」
うわっ!扱い易っ!?
それでいいのか博麗の巫女……。
「ふふふ。じゃ。そういうことでよろしくね?」
こうして俺とミスティアは霊夢を待つことになったのだが。
事のきっかけは何時もどおりミスティアの屋台の手伝いをしてる時に客としてやって来た博麗霊夢の一言からだった。
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