名前:ミスティア・ローレライ

焼いた鰻の数106本

鰻一本

その声に振り向くと霊夢と萃香の姿が在った。
「せっかくお客として来てあげたのに」
「やっほーみすちー♪」
「わっ!二人とも!」
「お。取り込み中だった?」
「ははーん。私達はお邪魔だったかしら?」
「そ、そんなんじゃないったら!」
「へー?……ま。私はどうでもいいけどね」
その言葉とは裏腹に顔がニヤついているのがムカつく。
「で、お二人さんは買っていくの?」
「じゃ、八目鰻1匹貰いましょうか」
「あ。私も頂戴♪」
「はいよ。八目鰻お待ち」
「ありがと。……ふーん。そこそこ様になってるじゃない」
「案外こっちの才能あるんじゃないの?」
「そ、そうか?」
それなら、このまま一生ここで過ごすのもいいなぁ。
「二人共あんまり甘やかさないで。私から見るとまだまだ半人前だよ」
「…そ…そうなのか…」
「プロの目は厳しいな……」
睨まれてしまった。
こんなんじゃ『一生ここで』なんて言い出せないな。
「あら、さっきは助かったとか言ってなかった?」
「そうだったっけ」
「ま、どーでもいいけど。じゃ、もういくわ」
「私も行くよ。……あ、そうそう。あとで私の作った花火、上がるからね」
「うん、楽しみにしてる。これ、屋台のお礼」
「お、サンキュ。そんじゃねー」
去っていく二人の背中が人ごみに消えた。


夏祭りイベント10