「ん……?」
彼女は振り向かない。
俺もまだ、空を見上げていたかった。
「色々あったけど…今日の…幻想郷のお祭りは楽しめた?」
「うん。楽しめたよ。外の世界じゃ全然味わえない事もたくさんあったしね」
いつの間にか、二人は手を繋いでいる。
「そう。よかった♪……また来年もこうやって二人で花火見に来れたらいいね?」
「そうだな。来年も一緒に花火を見よう」
「それじゃあ約束だよ?」
「ああ。約束だ」
一度離れた手が、求め合うように小指を絡ませた。
「指きりげんまん嘘ついたら針千本飲ーます♪っと。……ふふ♪」

微笑むミスティアの頬が赤く染まっていたのは果たして花火のせいだけなのだろうか。
それはきっと、彼女にもわからない。
~ END ~