【少女飛行中】
「ところで……一つ気になってるんだけど」
「なに?」
「重くない……?」
「……ふふ。そんな事ないよ。私これでも妖怪だし君一人くらい平気平気♪」
「そう言われてもな…女の子に抱えられて飛ぶのはこっちとしては恥ずかしい事この上ないんだけど…」
「それくらい我慢しなさいな。さて今日はお店はお休みにしてこのまま八目鰻を取りに行こうか」
「そう言えばいつも何処で取ってるんだ?」
「色々だよ。でも明日はいつもより多めに用意した方が良さそうだし今日は妖怪の山に行くよ。あそこが一番取れるんだー」
「山って言うと……あ。滝がある辺りか?」
「正解♪さて、ここら辺でいいかな。運よく見つからなかったみたいね」
「そう言えば妖怪の山って普段は立ち入り禁止じゃなかったっけ?」
「私もたまに出前を届ける位だしね。入るのは久しぶりかな」
「見つかったら不味い?」
「ちょっぴり不味いかも」
「……」
「なーんてね。大丈夫よ、いざとなったら守ってあげる」
「大丈夫かな…」
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