「……」
「……」
空気が重い……。
何か話題を変えなきゃ……。
「ところでさ……?なんでミスティアは俺を助けに来てくれたんだ?」
「ああ……話してなかったね。ちょっと待っててね?」
言いながら彼女は窓を開け、手を伸ばす。
すると、一羽の雀が彼女の手の甲に降り立った。
「この子が君の事を私に知らせてくれたの」
「あ、お前は……」
彼女の手で首を傾げているコイツ。
コイツは、もしかして……。
「そう。君が助けてくれた雀だよ。この子が変な格好した親切な人間がいたって私に知らせてくれたんだ。格好を聞いて多分外から迷い込んだ人だと思ったから助けに来たんだよ。そしたら君、妖怪に追われてるしあげくのはてには崖から飛び下りるし……。もし私が来なかったら死んでたよ……?」
「う……ありがとう。ミスティアは命の恩人だよ」
「ふふ。あとこの子もね?」
――ちゅんっ!
彼女の指に止まっている雀が、抗議するように鳴いた。
「そうだったな。ありがとう」
「『どういたしまして』だってさ」
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