名前:ミスティア・ローレライ

焼いた鰻の数106本

鰻一本

――がさっ
その音に少し竦んでしまうが、何のことは無い。
音の正体は雀だった。
なんだか調子が悪そうだ。
近付いて抱き上げても逃げない。
逃げられないのだろう。
怪我をしている様子は見受けられない。
ふと、この一人きりの雀が自分と重なった。
懐炉で体を温めてみる。
果たして効果があるのかは分からないが、持ち合わせが何も無い俺に出来るのはこれくらいだった。
暫くすると、懐炉を弾いて羽を広げだした。
そのまま、飛び立っていく。
……さてと。
俺も早いとこ、ここから脱出しないとな。


幻想郷入り3