名前:ミスティア・ローレライ

焼いた鰻の数106本

鰻一本

息が苦しい。
足が千切れそうに痛い。
元々歩き回って限界だった足を、さらに酷使している。
それでも走って走って、走り続けた。
逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ……!
ただひたすらに本能がそれを命令する。
何度振り返っても化け物は、弄ぶようにゆっくりと近づいてくる。
それなのに、後ろの気配は全く引き離せない。
……光が見えた。
森を抜けられる。
その希望に追いすがるように駆け抜ける。


幻想郷入り6