
小町「よっ!
やってるかい女将さん。」
ミスティア「あら。小町じゃない?
いらっしゃい。
今日の仕事は終わったのかしら?」
小町「あっはは。
ちゃんと終わらせたさ。
今日はスムーズにやったからね〜…ははは…」
ミスティア「目を逸らしながら言われてもね〜…」
小町「あ〜。まぁとりあえず鰻もらえるかい?
それから熱燗。」
ミスティア「はいはい。少し待っててね。」
小町「……………はぁ〜…」
ミスティア「…それで……どうしたの?」
小町「え?」
ミスティア「小町が溜息なんて珍しいじゃない?
いつも家に来る時はもっと浮かれた顔してるのにさ。」
小町「いや…そんな…
あたいだって溜息の一つくらいつくさ。」
ミスティア「いつも自由気侭な死神様が何を言ってるのかしらね…」
小町「うへぇ…こりゃ手厳しい…」
ミスティア「まぁ大方…
また閻魔様の事でしょ?長いお説教でもされた?」
小町「ん〜……半分正解かな。
別にしかられた訳じゃないんだ。
ただ四季様の事ってのは当たりだね。」
ミスティア「へ〜?」
小町「ここ最近はさ。
こっちに来る霊の数がだんだん増え続けてるんだ。」
ミスティア「…霊の数?」
小町「知ってるだろ?
霊ってのは元をたどると大半が人間さ。
死に方はどうであれ生き物が死ぬと霊になる。
それ自体は別にどうって事ないんだが問題なのはその数がね…
去年の倍くらいになってるんだ。」
ミスティア「倍…?……まさかまた花の異変でもあるの?
でもそれって60年に1度でしょ…?」
小町「いや。あたいも気になって四季様に聞いたけどそれは関係ないみたいなんだ。
まぁ霊の大半は外の世界から来たみたいなんだけど…
気になったのはその半分以上が自殺なんだよ。」
ミスティア「……」
小町「外の世界ってのがどんな所なのかはあたい達に知ることはできない。
けどこの状況を見る限りじゃあんまり碌な所でも無いのかも知れないね。
あくまでもあたいの独断だけどね。
そういえば……女将さんの所のバイトも元は外の人間だったね。」
ミスティア「ええ。そうだけど…」
小町「…戻れないんだってね。
しかしある意味ではそれは幸せなのかもしれないけどね…」
ミスティア「それを決めるのは…私達じゃ無いわ。
だから私からは何も言えない。
でも彼が幸せと思える道を進んで欲しいと願ってるわ
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