…。



親指でできるだけゆっくり
なぞるように触れていると、
塁がこちらをじっと
見つめているのに気付いた。

彼女の射抜くような瞳に
動けなくなる。
その表情に揶揄は見当たらない。


すると、塁が大袈裟な
リップ音をたてて
唇に触れていた親指に
キスをした。
加えてちろりと舌先で
舐められた。


塁が笑みを浮かべる。


塁姉唇触る