よし。下だ。間違いない。
もう何か第六感が下だって言ってる。



さりげなく下のグラスを
信二の方に寄せ、
自分は上のグラスを取った。


「おう、さんきゅ」


信二は相変わらず
痛々しい話を展開している。


なんか緊張したら喉乾いた。
…飲むか。

大丈夫。
たとえ薬だったとしても
ちょっと飲んでやめればいい。
そんな強い薬ではないだろうし。


信二をちらりと見ると
信二もジュースに口をつけようと
しているところだった。


…の、……飲んだ!よし!
こっちも飲もう。


……


鯛1