――その時だった。博麗神社に二人目の参拝客が訪れたのは。神社の上空を、箒に跨った少女が駆け抜け――勢いを殺さずにUターンして、引き返してきた。
「お、まだ誰も来ていないと思ったんだがな」
そして、霊夢の幼馴染である魔法使いの少女――霧雨魔理沙は勢いよく箒から飛び降りて、神社の境内に降り立った。その視線は紫に向けられている。
魔理沙はよく大晦日の夜深くに博麗神社を訪れる。霊夢が天香香背男命の力を封じる儀式を見届けるとともに、二年参りを行う為だ。
だが、今年は例年よりも寒さが厳しく――自宅のベッドで丸まっていたうちに新年を迎えてしまったのである。面倒くさがりな彼女は、二度寝をしてから新年の神社にやってきたのだ。
「先を越されたわね、魔理沙」
どことなく嬉しそうに話す霊夢。対して、魔理沙が屈託のない笑顔を返して応じる。
「まあな。でも、あいつらよりは早かったぜ」
魔理沙が自分の後ろを見やった。釣られて、霊夢も紫も魔法使いの肩越しに視線を追う。視線の先――神社の鳥居を見ていると、二人の来客が石段を登ってきて、鳥居をくぐった。
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