永琳
「…どこから入ってきたのかしら、この野兎は。」てゐ
「そう構えないで。私はことを荒立てる気はないわ。」
永琳
「質問に答えなさい。」てゐ
「私はこの竹林の長。この竹林の中の出来事は全て把握してるわ。」
永琳
「……。」
(輝夜の能力が破られたとでもいうの?この大した力も感じない妖怪兎風情に?)
(そんなはずはない。でも、一体どうやって…)てゐ
「あなたたちはここに隠れ住んでいるんでしょう?」
永琳
「私たちはここで薬の研究をしているだけよ。静かな場所が好みだからここに住み着いているだけ。」てゐ
「見ていればすぐにわかるわよ。隠れ住んでいることも、あなたたちが尋常な力の持ち主ではないことも」
永琳
「…仮にそうだとして、あなたの目的は?」てゐ
「だから、私はことを荒立てる気はないわ。そう構えないで。」
永琳
「答えないのなら荒立てるしかなくなるわ。用件を言って頂戴。」てゐ
「私の目的はひとつ。兎達に力…智慧を授けて欲しいの」
それと引き換えに、この館へは誰も近づけないようするわ。」
永琳
「お生憎様ね。間に合っているわ。
それに、あなた程度では守ることなんてできやしないでしょう。」てゐ
「兎達が智慧を持てば、あなたの手駒にもなる。
それに、ここにたどり着けただけで私の力は証明しているはずよ。」
永琳
「……。」てゐ
「智慧を授けるはあなたの弟子だけというのであれば、あなたのことを師と呼ぶわ。」
永琳
「…なかなか面白いことを言うわね。」てゐ
「お互いに利益がある契約のはずよ。…で、返答は?」
永琳
「……。
わかったわ。精々役立ってもらうとしましょうか。」てゐ
「…ふふっ、感謝しますよ、お師匠様。」
永琳
(得体のしれない妖怪兎…。とはいえ、手駒は必要。
玉兎ではないようだし、その力を存分に利用させてもらうとしましょうか)てゐ
(一筋縄ではいかないだろうとは思ってたけど、これほどまでに威圧感があるとはね…。
こりゃ、気を緩められないわね…)
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