あの頃は大変だったねー。
よく鈴仙がぼやいてたよ、洗濯物が乾かないって。
お月様も隠れちゃうし、夏だって言うのにちょっと寒くてね。
風情も何もなかったよ。

おまけにさぁ…。
恥ずかしい話、あの霧のせいで竹林で迷子になったのよね…。
目印になるようなものが隠れちゃうものだからさ…。


でもいいこともあったね。
あの霧のおかげで、買い物に出ても目立たずに済んだの。
ほら、あの頃ってまだ私たちも隠れ住んでたころだったからねー。

今になってみると、あの頃が懐かしく感じるね…。
紅魔郷