布都巻き製作の一部始終
より
何やら皆して豆をまいているな
炒った豆など撒いても仕方がないと思うが
ここの人間の考えはいまいち分からぬな
ほっほっほ
そこの道行くお嬢さん
む、我のことか?
そうそう、貴女ですわよ
あれは鬼退治の一環で、ああすることで鬼から身を守ろうとしているのですよ
まあもっとも、今は鬼だけではなく厄なども払うという意味合いがあるようですが
噂によると、吸血鬼にすら効果があるとか
おお、それは凄いな
我の時代では考えられなかった
あの豆は鬼に効果的なのか
今度鬼にあったら試してみよう
ところで、この時期にはもう一つ大事なものがありまして…
大事なものとは?
ええ、ふと巻きというのですが…
今年は材料がなくて行われていないようですね
太巻き?
あ、あれではないのか?
あそこで妙に太い巻物にかぶりついておるのがいるが
あんなに大きいの…口に入るのか
今の人間は凄いな
いえいえ、あれは所詮まがい物
本来のふと巻きではございません
本来のふと巻きはそれは凄いのですよ
そうなのか?
何でも、凄い力が宿るとか
仙人様が関係するのですもの
とても色々と凄いご利益が授かるのでしょう
私実は亡霊なのですが、亡霊が蘇ったりもするかもしれません
仙人が作るものなのか
それはさぞかし凄いものであろうの
と、ところで…お主亡霊と言ったか?
我はそういうのが…その…苦手でな
私も好きで亡霊になったわけではございません
ですから、出来れば蘇りたいのです
ところで、布都様は高名な仙人様とお見受けしました
宜しければ、私のふと巻き作りにご協力して頂けませんか?
やっぱり蘇りたいのか?
それは勿論
ううむ…
実は我には仙人と呼べるほどの力はないのだ
もし作りたいのであれば、高名な仙人を紹介するが
妖夢殿なら出来るであろう
あ、発端は貴女なのかしら?
何がじゃ?
あ、い、いえ…
あの子…いえ、あの方は少々お忙しいので、是非とも布都様にお頼みしたいのです
貴女の仙人としての力はあの方以上にあると私はお見受けしました
お願い出来ませんか?
そ、そこまで言われると困るな
…よし、我が手伝おう
こころなしか、我と名前が似ておるしな
布都とふと巻きで
…ところで何故、我の名前を知っておる?
それは知ってて当然ですわー
私が作ろうとした事の発端が、貴女の名前なのですから
そして名前が似ている理由も簡単ですわ
布都を巻いて「布都巻き」なのですから♪
は…?
…!?
ちょ、な、なにをs
はーい
単j…純粋な布都ちゃんはしまっちゃいましょうねー♪
さーて
これで材料は全て揃ったわ♪
あとは紫の式の力を借りて、実行に移すだけよー♪
まさか蘇りはしないと思うけれど、素敵な力というのは気になるからねー
×太巻き○布都巻き