ハロウィンと言えば突然俺の股下から声が聞こえたと思い下をみると、顔だけ隙間から出した紫がいた
もう少し普通のところから出てこれないのだろうか
おかげで全員の視点が俺の股間に集中している気がして仕方がない
俺は隙間から離れるために少し距離を置くと、紫はそこから這うように身体を出していった相変わらず斬新な登場の仕方ねー
たまには玄関から来たらどう?
それは無理ね
貴女のところの階段、無駄に長いから時間がかかるし
何であんな造りにしたのやら
…あ、妖夢、私にもお茶を頂ける?あ、はい!
ただいまお持ちします妖夢は紫に言われると、お茶を淹れに台所の方に向かっていった
暫くして、台所から新たにお茶を持ってきた妖夢は、紫にお茶を差し出す
紫が妖夢に礼を言うのを見届けると、幽々子は紫に話を切り出した…で、はろいんと言えば何かしら?
私、紫と何かしたんだっけ?
私「と」ではなく、私「に」ね
あの時はよくも食糧を根こそぎ持って行ってくれたわね
あの時は和解したけど、結局藍からの疑いは晴れなかったのよ
「紫様なら…」とか言われて
貴女からも藍に言いなさいえー嫌よー
だってそれは「月の姉妹からお酒を盗んだんだし、謝りに行きなさい」と言っているのとまったく同じよ
それにもう大分経っているのだから今更ではないかしら?
ごめんなさい
私があの時幽々子様を止めていれば…
主の代わりに謝ります従者だってこうやって頭を下げているのに貴女達と来たら…何故か俺まで睨まれる
確かに俺も止めなければいけない立場だったのかもしれないが、そもそもあんなことになるなんて予想もしていなかった
あれはどう考えても幽々子の責任だろう…話を遮るようで申し訳ありませんが一つ宜しいですか?
先ほど幽々子さんが仰った「月の姉妹」の話なのですが
貴女方はもしや月にまで行って…え!?
あ…幽々子様…?わ、私は月に旅行に行っただけですわー
そこでお土産にお酒を貰っただけで
それだけですわー♪
亡霊と半霊がどうやって月に行って帰って来たのですか?
私の推測では八雲紫、貴女も関わっていますね関わっておりません
きっと私の予想もつかないような方法で月に行ったのでしょう
スペースシャトルのようなものでではどうやってそれを造ったのですか?
貴女達の話には無理がありすぎる
嘘をついていることは明白です
今から私に付いてきなさい
細部まで聞かせて頂きます失敗したわねー
これは成功でしょう?
幽々子にとっては赤信号もみんなで渡れば怖くないのよ♪
赤信号が何かは分からないけれどね
俺には失言にしか取れなかったがそういうことか
相変わらず言葉の真意が分かりにくいな
そう思いながら、俺は先頭を歩く映姫、そしてそれに付いていく幽々子と紫の背中を眺めていた
そのとき、ハロウィンでどうしても分からなかったことがあったことを思い出した
俺はそれについて、段々と離れていく紫に尋ねてみた田中さん?
ああ、あの人は…今は私の話の方が先決です
早く来なさい…らしいわ
それじゃその話の続きは生きてたらね結局俺の期待していたものは帰ってこなかった
結局田中さんは謎のままだ
何故あんなところに住んでいるのか
危険ではないのだろうか
そもそも「田中」と名乗ってはいるが人間なのだろうか
俺の悩みは尽きないクリスマス