ここは地霊殿
嫌われ者の主さんが、自由奔放に過ごす妹に頭を抱えつつ、ペット達とひっそりと暮らす場所よ

随分と嫌味の含まれた言い方をするわね

あからさまに嫌悪の表情を出しながら、さとりが貴方達の前に現れた

貴女相手に隠し事をしても仕方がないでしょう

本心ではそう思ってないわよね
それどころか、私の能力についてもあまり恐怖を抱いていないわ

貴女も能力も素敵だしね
弄り甲斐がありそうで
ふふ♪

本心からそう思っているから本当にたちが悪いわね
あ、そう言えば結婚するんだったわね
おめでとう
お燐なら喜んでお貸しするわ
あの子も結構楽しんでいた様だし

幽々子の心を読んだのか、さとりは話してもいない燐のことについて言い出した
それを聞いた幽々子は笑顔で感謝の旨を伝えた

それでは早速呼びましょうか
私から後で伝えても良いのだけど、貴女がいる場で話した方が話も早いでしょう

そうね、お願いするわ



暫くして、燐が姿を現した
何故か後ろには空もいた

おや、冥界の主さんにその旦那さんじゃないかい
おひさしぶり！

あれ、どちら様でしたっけ？

ほら、前に花見に行ったでしょ
その時の主催者だよ

花見？
行ったっけ？
えと…その時はお世話になりました
覚えてないけど

はあ…
本当に覚えていないからね…

さとりは飽きれた表情で言った

それでお燐
急な話で申し訳ないんだけど、また冥界に行ってもらいたいのよ

冥界？
結婚式の準備とかですか？

当たりよ
貴女が良かったらで良いのだけれど
今回はお花見の時よりも規模が大きいからね
準備する人もその分増えているのだけれど、やはり結構手間がかかるのよ
貴女がいれば大分助かると思うわ
お花見の時の貴女はとても素晴らしい働きをしてくれたし

とんでもないよ
あたいも楽しませてもらったし
さとり様も良いって言ってるし、あたいとしては全然構わないよ

助かるわ

あ、私も行く！
面白そう！

貴女は旧灼熱地獄跡の管理があるでしょう

お空は…物壊しそうだし、やめといたほうが良いと思うよ

貴女の能力は怖いからご遠慮頂きたいわねー

うにゅー…

その場にいる者達から一斉に断られ、空は心底凹んだ表情になって下を向いた

それで、あたいはどうしたら良いんだい？
お兄さん達についていけば良いのかな？

んー、今はデート中だからね
準備が出来たら白玉楼に向かって頂戴
妖夢には「幽々子に呼ばれた」と言えば分かってもらえると思うわ

デート…ねえ
全然デートではないっぽいけど
殆ど幻想郷案内になっているじゃない

貴方達の心を読んだのか、さとりはそう言った

まあ仕方がないわよ
今思えば、案内とデートは分けたほうが良かったかもね
今更だけれど
あ、有り難く火車はお借りするわね

ええどうぞ

それではそろそろ失礼するわ
また会いましょう

あ、もう帰っちゃうんだ
またね！

貴方と幽々子は地霊殿を後にした



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