幽々子と一緒に人里にやってきた貴方は、ふとあることに気付く
自分が人間でありながら、人里に殆ど来たことがないということに
冥界から自力で移動する手段がない以上仕方がないのであるが、貴方は何となく自分に対して不思議な感情を抱いた
そう思っていると、道の向かい側から何やら人が近づいてきたあれ、幽々子さんですか?
花見以来でしょうか
お久しぶりですあら、阿求ちゃん
人里に来るなんて珍しいですね
何か御用ですか?ちょっと寺子屋に用事がね
阿求ちゃんはどちらに行くの?
私は古本屋の方に
友人と遊ぼうかなとそれでは違う道ね
お気をつけてね
はい
ありがとうございます
それでは阿求は貴方と幽々子を交互に見た後「お幸せに」と最後に付け加えてその場を去って行ったふふ♪
それでは行きましょうか
実は寺子屋については幽々子が是非一度見てみたい場所だと言っていた
幽々子は子供を授かることが出来ない
だからこそ、そう言った場所に格段の興味を抱くのかもしれないさて、着いたわよ
おや、これは珍しい
冥界の姫がこんなところに何の用だ?
しかも男連れで冥界の姫なんて二つ名、久しぶりに言われたわ
いや、ちょっと寺子屋というものを見ておきたいと思ってね
ほら、私近々結婚するでしょう
それはそうだが…慧音は幽々子の言葉に何か思うものがあったようだが、それは一瞬のことで、すぐに幽々子の要望に対して答えたまあ、見学なら大歓迎だ
どうか見て行って欲しいあ、ちなみに
給食はやらんからなえー…
幽々子の考えを先読みし、慧音はそう言い放ったここが教室だ
もうすぐ授業がはじまるから…そうだな
後ろの席が空いているから、そこで見ていて欲しい
ところで、そこの彼が結婚相手なのかな?ええそうよ
そうか
末永くお幸せにありがとう♪
へええ…こういうものを教えるのねー
流石プロ
私ではこうは教えられないでしょうし
やはり寺子屋を選択肢に加えるべきなのかしら
幽々子は慧音の授業風景を見ながら、そう言って何かを考えていた
しかし、幽々子は子供を授かることが出来ない
貴方が幽々子との一線を越えようとした時も、幽々子はそうはっきりと言って貴方を拒絶していた
何か幽々子にそれを打開する案があるというのだろうか…ん?
どうかした?
そんな貴方の考えを読めなかったのか、幽々子は至って普通に貴方に疑問の顔を投げかけた見られながら授業をするというのはどうにも慣れないな
何かの参考になったのであれば嬉しいがいやいや
とても良い先生だったわよ
お陰で色々と学ぶものが多かったわ
そうか
それなら私としても嬉しい
また見たくなったら気軽に来て欲しい
子供達も気になっていたようだしなあらあら♪
もう少し早かったら考えたかもしれないわねー
残念♪
子供まで誑かそうとするないやいや
私は誑かしてなんていないわよ
これは本当に
それではそろそろ移動しましょうか
いきましょう、貴方
慧音の怪訝な表情を背中に受けつつ、貴方と幽々子は移動を始めた移動する