名前:西行寺 幽々子

189面ボス   (8でショートカット説明書)

餌を与える

式場へ入る直前、霊夢は手に持っていた大幣で全員を払った
その動作が終わった後、全員はそれぞれの席へと向かった
全員が座ったのを確認した後、霊夢が口を開いた


この度は神前式にようこそおいで下さいました
まずは私が、お二人及びご両家のご発展を祈念し、祝詞奏上を行わせて頂きたいと思います


そう言うと霊夢は貴方達の前に立ち、祝詞を読み上げはじめた

掛けまくも畏き某神社の大前に西行寺幽々子恐み恐みも白さく、八十日は有れども今日を生日の足日と選定めて、何某の媒妁に依り、某所に住みて大神等の御氏子崇敬者と仕奉る何男某と、某所に住める何女某と、大前にして婚嫁の礼執行わんとす…

貴方はふと幽々子の顔を見た
その顔には微笑みが浮かんでおり、霊夢から発せられる一言一言をしっかりと受け止めているように見えた


身を修め、家を斉え、家業に勤み励み、子孫を養い育てて、堅磐に常盤に変る事無く、移ろう事無く…

思えば、ここに至るまでに様々なことがあったと貴方は思った
突如幻想郷に迷い込み、冥界に居候した
一度は外の世界に帰ったものの、貴方の意思もありまた冥界に戻り、幽々子との一線を越えるために互いの心の内をぶつけあった
それらを乗り越え、今貴方のとなりに幽々子がいるのだ
そして、幽々子と共にこの日を迎えることとなったのだ


高砂の尾上の松の相生に立並びつつ玉椿八千代を掛けて、家門広く、家名高く、弥立栄えしめ給へと、恐み恐みも白す

祝詞を読み終えたのであろう
顔を上げて新郎新婦の顔に視線を移した後、霊夢は深々と頭を下げた
続いて参列者に対し深々と頭を下げた後、霊夢は元いた位置へと戻った


御静聴ありがとうございました
続きまして、誓杯の儀を執り行わせて頂きます


その言葉に、巫女装束を来た萃香が酒を持って近付いてくる
正直な話配役のミスではないかと思ったが、萃香はお酒を慎重に運んでくる
酒飲みだからこその慎重さだ
どうやら配役についてはミスというよりも、むしろ最適だったようだ

貴方達の前にある3種類の杯…小中大の杯のうち、貴方は最も小さい杯を手に取る
それを見た萃香は、小さい杯にお酒が注いでいった
事前に受けた話によると、新郎、新婦の順番で、小中大の杯の順番で交互に杯の酒を飲んでいくらしい
各杯には3回お酒が注がれ、それを新郎と新婦ですべて飲むという儀式だそうだ
貴方はお酒が注がれたことを確認すると、三回に分けて中を飲み干す
そして中が空になった杯を幽々子に渡した
幽々子は祝詞の時に浮かべていた微笑みのまま、萃香からお酒を注がれている
注がれ終わると幽々子は杯に口を付け、ゆっくりと飲む

大きな杯の3杯目…つまり最後のお酒を貴方は飲み干した
酒が入ったためか、それとも式場の雰囲気のためか、貴方は身体の火照りを強く感じた


誓杯の儀を終えた二人は、続けて指輪交換を行います
これを持って婚礼の儀とし、その瞬間より二人は夫婦となります
その際には、皆様祝福の拍手をお願い致します


貴方の元には燐、幽々子の元には萃香が来た
二人とも手には指輪の入れられた箱がある
まずは貴方が新婦…幽々子の右手を取り、薬指に指輪をはめる
指輪については、二人がお互いのためにそれぞれ選んだ宝石がはめ込まれていた
「夫婦一緒でなくても良い、相手に会いそうな指輪を選んで」
と言われて貴方が選んだ宝石はペリドットだった

右手にはめられた指輪を見る幽々子
その顔には慈しみが浮かんでいた
しかし、それを長く見続けることはなく、お返しに今度は幽々子が貴方の右手を取る
相変わらず幽々子の手は冷たい
だが、貴方にはそれがとても心地よく感じられた

幽々子の手が離れると、貴方のそこには輝くアンバーの宝石があった
石言葉は、歓喜・創造
指輪のはまった手から幽々子に視線を移すと、そこには満面の笑みを浮かべる幽々子の顔があった
そしてその顔が徐々に貴方に近付いていく

盛大な拍手を受けてもなお、その長いキスは終わらなかった




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