苦労人御一同様
十六夜咲夜様
鈴仙・優曇華院・イナバ様
永江衣玖様
東風谷早苗様
火焔猫燐様
寅丸星様


何よこの「苦労人」っていうのは…

え、咲夜さんは苦労してないんですか？

苦労も何も仕事だし、楽しくやらせてもらっているわ
強いて苦労を言うなら、門番が役にたたなすぎて私が警護を兼ねなければならないくらいかしら

沢山仕事してますよね

沢山と言えば沢山だけど、貴女の仕事よりは遥かにマシだわ
血を吸われたりはするけど、変な薬を飲まされたりはしないし

う…そ、そうなんですよ
師匠は変な薬を飲ませてくるし、姫様は我侭だし…

みんな大変なんだねえ
それならみんなまとめてあたいのところに来るかい？

心は見られたくないです…
燐さんは平気なんですか？

平気も何も、あたい達はそれのおかげでさとり様に可愛がってもらったからねえ
今は喋れるけど、猫だった時は喋れないし

燐さんのところが駄目なら、聖のところに来ませんか？
歓迎しますよ

え、いいのかい？

燐さんは…
流石にうちの墓場を暴かれると困るので

うーん、残念

皆様毎日お疲れ様です

いやいや、多分この中だと衣玖さんが一番お疲れ様ですよ

ここは何だか負のオーラが凄いわねー

発しているのは一部だけよ

咲夜の言葉に、貴方は違和感を感じた
花見の時は終始敬語で話していたからかもしれない

どうかした？

貴女の話し方ではないかしら
ほら、貴女は彼とお花見で会った時、恐らく敬語で話していたでしょう

確かにそうね
あの時はあくまでメイドとして対応してたからね
これが普段の私よ

そういう、公と私を分けられる人って何か良いですよね
出来る人って感じがして

そうですね
私も見習いたいところです

私も今後は分けてみましょうか

早苗さんはともかく、衣玖さんと星さんの普段って気になりますね
いつもそんな感じなのかと思ってました

何ならさとり様を呼んで来ようか？

呼ばない方が良いと思いますよ
私は見られても構いませんが、彼女にだって見たくないものはあるでしょう

え、そんなにですか？

ふふ、どうでしょうね

本当か嘘か分からないのがまた怖いですね

含みを持たせた彼女には悪いけれど、そこまで腹黒くはないと思うわよ
まあ私は心の内を推測しているだけで、見ているわけではないのだけれどね
腹黒だったら天人はもっと丸くなっているでしょう
特に彼女に対してね

確かに…

とその時、星が首を忙しなく動かしていることに気付いた
動きを見るに、どうやら何かを探しているらしい

どうかしたのかい？

宝塔が…なくなってしまいました…

え、またですか？

また？

あ、いえ
以前もなくされていたので

いつまであったとか、そこからどこに行ったのかとか覚えていますか？

えーと…
すみません、覚えてないです

宝塔なら確か、さっき兎が持っていたわね
てっきり貴女に高値で売りつけようとするのかと思ってけれど、貴女のところに来ていないのであれば違うのかしら

え、もしかしててゐですか？

そうそう

まったくあの子はそういうことばっかりして！
取ってきます！

いやいや、良いですよ
私がなくしたのが原因なんですし、私が行ってきます
そもそも宝塔が私の物だって分かっていないかもしれませんし

ですけど…
本当に良いんですか？

はい
それではすみませんが少し席を外します

私達もそろそろ移動しようかしら
それでは皆様
存分に楽しんで行ってね



移動