お題:妖夢からの告白
より
これ…先に言っておくけれど、恐らく期待はずれになっていると思うわ
うちの妖夢は貴方に恋心なんて微塵も抱いていないし
というより、うちによく来る方のことごとくがそうなのだけれど
まあ、そういう前提での告白だと思って頂戴
それではどうぞ
あ、お疲れ様です
貴方も大変ですね
結婚式の話し合いで、休む暇もあまりないんじゃないですか?
今お茶を出しますからここでゆっくりなさって下さい
はい、どうぞ
今日は暑いんで冷たいお茶にしてます
熱いのが飲みたかったならごめんなさい
はあ…落ち着きます
そういえば結婚式ですけど、私はまさか結婚するとは思ってませんでした
貴方ではなく幽々子様のことですけど
幽々子様は貴方をからかってばかりいましたからね
正直、失礼な話ですけど、貴方のことを玩具のように思っていたと…そう考えていました
でも実際は違ってたんですね
それなら最初から違うように接すれば良かったと思うんですけど…
こう思うのは、私がまだ子供ということなんでしょうか
お花見の時、貴方に言ったことがあると思います
私は幽々子様に憧れているかもしれないと
あの方は私の大事な方です
主従関係だからというのもありますが、あの方でなければ、私は正直ここまで心から尽くせなかったかもしれません
幽々子様は私をたまに実の娘のように扱いますが、私から見れば幽々子様は母よりも近しく、他人よりも遠い方です
上手く表現出来ませんが…そんな感じです
え、貴方のことですか?
結婚式でお酒が入ったら言おうかと思ってましたけど…恥ずかしいですし
…そうですね
いずれ言うのであれば今でも良いですね
貴方のことは好きです
あ、恋愛感情ではないですよ!
何といいますか…その…笑わないで下さいね
実の兄のように思っております
幽々子様に兄妹と言われていたのもあるかもしれませんが、私は貴方を兄として慕ってます
だから貴方が幻想郷に連れて帰る時に、私は諦めずにあれだけ頑張れたのだと思います
もう家族で離れたくないですから…
…あ、す、すみません
今の話は忘れてください
これは言っちゃいけないことでした…
さ、さて、もう休憩は充分ですし、私は庭の手入れに行ってきます
えと…うう…
お、お兄ちゃんはまだそこで休んでて下さいね!
妖夢からの告白