さて、楽しんで頂けたかしら?
貴方と幽々子は白玉楼に戻ってきた
今は縁側において二人でお茶を飲んでいるここが貴方が改めて住むことになる幻想郷
外の世界と比べて何もないけれど、外の世界にないものは沢山あるわ
貴方がいつまでここにいることになるか
それは分からないけれど、願わくばここを第二の故郷と感じてもらえると嬉しいわね
ところで、貴方とはこれで二回目のデートかしら
一回目は外の世界だったわね
あの時は笑ったわー
楽しかったのもそうなのだけれど、まさか貴方がデートにあんなのを持ってくるなんて
それにしてもあれ、妖夢にあげたものだったのだけれどね
妖夢があれの使い方を知っているとは思えないから、恐らくはお守りのようなつもりで渡したのでしょうけれど…
あの時は私もどうかしていたわ
雰囲気だったのか、それとも貴方の心に動かされたのか
自分でも分からないけれど、私は貴方と一夜をともにした
あの時に分かったとは思うけれど、私、意外とこういうことに慎重なのよ
本当に…我ながら不思議だわー
後悔なんてしていないし、もし貴方とこういう関係にならなかったとしても、することはないでしょう
私が自ら選択したことなのだから
思えばあの時から…いえ、もっと前から…私は貴方に惹かれていたのかしらね
ふふ…閻魔様がどういうつもりで言ったのかは知らないけれど、閻魔様の説教は正しいわね
人の心を読むくせに、自分に素直でない
それ故に、私は私自身の心が分からなくなってしまったわ
貴方のことについてね
でも、今のこの気持ち
この暖かな気持ちは真実でしょう
ふふ♪
そう言えば、貴方に改めて言っておかないといけないことがあったわね
幽々子はそこまで言うと、お茶を口に含んだ
そして一呼吸置いてこう言ったようこそ幻想郷へ
そして…これからもずっと…よろしくね、貴方
(ちゅっ)
今まで幽々子としてきたキスのどれよりも、その唇は暖かかったおしまい