誰かから、何かタメになる話をしてと言われたのだけれど…
そうねー…
それではある殿方の話でもしましょうか
その殿方…そうね、仮にKYとしましょうか
空気もあまり読めない方だし
まあそのKYなのだけれど、彼はとある家に仕えていたのよ
でもその家の主が特殊で、永遠に姿形を変えることがないし、死ぬこともないの
対して彼はゆっくりと歳を取る
そのような状況で彼はこう思ったわ
「自分の老いは主の心に傷を負わせているのではないか」と
そして彼はある日ひっそりと姿を消した
主と、当時一緒に暮らしていた孫すら置いて
彼の消えた後、主と孫はとても悲しみ、そして傷付いたわ
特に孫のうろたえようは見るに堪えなかったわね
彼は彼の想いにとらわれてしまったばかりに、主と孫の想いを無視したのよ
貴方の想い、考えが必ずしも相手を幸福にするわけではない
むしろ不幸にすることだってあるわ
相手のことを考えることは素晴らしいと思うけれど、それにとらわれて本末転倒にならないよう注意しなさいね
幽々子西行寺のタメになる話