名前:西行寺 幽々子

189面ボス   (8でショートカット説明書)

餌を与える

廊下を歩いていくと、右手に池が見えた
来て間もない頃は、あそこに何が住んでいるのか不思議に思っていた
幽々子がよくあそこの池に餌を撒いていたからだ
しかし幽々子に聞いても教えてくれず、妖夢に聞いても「何もいない」という
しかし幽々子は餌を撒いている
気になったので色々な手段を用いて調べたこともあったが、結局すべて空振りで分からず終いだった
その時ふと俺の頭に電球が光った
夜行性だったのではないのか、と
もしそうであるならば、きっと何かが動いているはずだ
俺は池を調べに行くことにした






今夜は満月だ
池の様子もはっきりと分かる
だからこそ、池に何かがいることに気付くのにそう時間はかからなかった
それは人のように見えるが、人にしては何かがおかしい
あれが池に住むもの…幽々子が餌をあげていたものの正体なのだろうか
俺は少し悪寒を覚えながら、少しずつそれとの距離を詰めていった




そこにいたのは少女だった
しかし見ただけでおかしいことが分かる
少女は後ろ手に縛られ、目を塞がれている
そしてその口には幽霊が出ていた
幽霊はまるで少女から這い出るかのように、ゆっくりとその体をくねらせていた


ん…んぐ…

口に幽霊が入っていて苦しいのか、少女は弱々しくもがいた
しかしそれもすぐに終わる
幽霊が少女の口から完全に出ると、少女はまるで死んだかのように動かなくなった
そして少女とは対照的に、少女から解放された瞬間こちらに向かって飛んでくる幽霊
まるで新しい身体を見つけて喜んでいるようだ
そして幽霊は俺の身体にぶつかり…




ゴホ…ゴホ…
うう、酷い目にあいました
ありがとうございます


幽霊は俺の身体にぶつかると、そのまま何度も俺に身体を打ちつけた
それが助けを求めているのだろうと気付くのに時間がかかった
俺は妖夢に近付くと素早く縄と目隠しを取り、池から救い出した
そして現在に至るわけだ


幽々子様も酷いですよ
私が「怖がらせ方が分からない」と言ったらこれですから
これ、絶対私の方が怖かったですよ…


いや、俺も充分怖かった
理解が出来なすぎて
しかし、妖夢なら別に聞かなくても知っている気がするのだが
13日の金曜日とか、いつも怖い



どうかしましたか?


妖夢が不思議そうな顔で俺を覗きこむ
俺はその妖夢の問いに適当に返事をすると、元いた場所へと戻ることにした




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怖い祭池