一つ、申し上げなければなりませんでした
先に進もうとしたとき、入り口から幽々子の声が聞こえる
振り向くと幽々子はとても申し訳なさそうな顔をしたすみません
お伝えし忘れました
…って、あら
随分と可愛らしい恋人さんですね
幼女で死体、とても素晴らしいご趣味だと…思いますよ
ええ…私は良いと思います
その言葉を言い終えると、幽々子は俺から一歩引いた
まさかそれを言うために俺を呼び止めたのだろうか
彼女は怖さを勘違いしていないか
確かにそういう目は怖いが、それはお化け屋敷の怖さとはまるで違う怖さだ
ゾンビフェアリーの方を見ると、何故かゾンビフェアリーもそっぽを向いて赤面しているし
まさかノリが良いというのはこういうことなのか失礼致しました
申し上げることについては、このお化け屋敷についてですわ
実はこの屋敷は、廊下を真っ直ぐ行けば出ることが出来ます
恐怖に打ち勝てず廊下を走り抜けるも、好奇心に駆られて様々な場所を探索するも、すべて貴方の自由です
それでは今度こそいってらっしゃいませ
屋敷から出られた後、貴方が正気を保てていればまたお会い出来ますでしょう
もし保てなければ…貴方もあの中で彷徨える亡霊のように…
お気をつけて下さいませ
幽々子はそれを言い終えると、入り口の扉をゆっくりと閉めた
俺はそれを見届けると、ゾンビフェアリーとともに屋敷の奥へと向かっていったどこに行こうか