夕食の後、幽々子は散歩をしてくると言って出かけていった
おそらくサンタを捕まえる準備をしに行ったのだろう
妖夢も食後の洗い物を済ませると、そそくさと寝室に向かっていった
こちらは多分サンタのプレゼントを待ちながら幸せな眠りにつくのだろう
一人になった俺は、懐に入れていた箱を見ながら沈んでいた
俺はこの日に備えて幽々子へのプレゼントを準備していたのだ
しかし、サンタを捕まえに行った幽々子の目には殺気に似たものが宿っており、素直にプレゼントを受け取ってもらえなそうだった
クリスマスが過ぎないと受け取ってもらえそうにない
しかし、このプレゼントはそれを過ぎるとまったく意味をなさない
大きくため息を一つついた俺は、気分をかえるために外に出た
外に出ると凄まじい光景が目の前に飛び込んだ
大量の亡霊や蝶が白玉楼のあらゆる場所に配置されていた
そしてその中心では尋常ではない雰囲気の幽々子が四周を警戒していた
そういえば彼女は亡霊を操れるとか言っていたが…これはいくらなんでも…あら…?
誰かと思ったら貴方だったの
残念ね
てっきり獲物かと思ったわ
俺に気付いた幽々子が俺の元へと飛んでくる
話し方こそ温厚な雰囲気だが、顔はまったく笑っていない
まるで食べ物を横取りされた時のようだ
俺は駄目元で今夜時間があるか聞いてみた
どうしても今夜渡したかった残念だけど無理ね
冥界の主として、正体不明の侵入者をのさばらせるわけにはいかないの
今夜こそ…仕留める
殺気が一層増した幽々子
妖夢とはまったく逆だが、幽々子も幽々子でサンタに特別な想いを抱いているように見える
彼女も過去にサンタと何かあったのだろうか
結局プレゼントを渡す時間ももらえなかった俺は、肩を落としながら人気のないところを求めて歩き出した
今は一人になりたかったサンタ登場