まさか貴方が見つけてしまうとはね
でもよくやってくれたわ
おかげで周囲を囲うことが出来たのだもの
さて、あんなふざけた真似をした張本人の顔を拝ませて頂きましょうか
そう言って俺と男のいる場所へゆっくりと降りてくる幽々子
相変わらずその目はとても冷たい
一方の男はというと、こちらは先程の険しい顔が何故か消え、困った顔の中に笑みが浮かんでいた幽々子様、お転婆が過ぎますぞ男のその言葉を無視し、ついに地面に足をつける幽々子
キッと男を睨んだかと思うと、不意にその顔に驚きが浮かぶ…!
何で貴方がここに!?
前に妖夢に言ったことがありましての
軽く言っただけだったのに妖夢が深く信じてしまった為、こうやって老体に鞭打ってサンタの真似事をしている次第ですそう
あれは貴方の仕業だったのね
私は貴方が既に死んでいると思っていたから…
てっきり貴方を騙って思い出を汚す不届き者が、サンタの真似をして私達を騙しているのかと思ったわ
ごめんなさい
先程までとは打って変わって穏やかな目になった幽々子
きっととても大事な人だったのだろう
もしかしたら…俺の入る余地のない位に…頭を上げてくだされ
主に頭を下げられては私が困ってしまう
そもそも、私が名乗っておけば良かったのですから俺を置き去りにして会話を弾ませる二人
そもそも一人になりたかったのに何故こんなことになったのか
俺の沈んでいた気持ちはさらに沈み、もう浮かぶことが出来なくなりつつあった
…帰ろう
そう思って二人の邪魔をしない様そっとその場を離れようとした
すると、それと同時に二人の会話が終わったそれでは私はこの辺で失礼致します
これは幽々子様への小包、そしてこれは申し訳御座いませぬが妖夢に渡してやってください妖夢の顔は見なくても良いの?
見たいのは山々ですが、妖夢には私がいない方が良い
私がいると何だかんだで私を頼ってくる為、妖夢の為にならないのですなるほどね
確かにあの子はそうかもしれないわね
ところで、そこの彼と話したいので少し彼をお借りしてもよろしいですかな?
すぐに終わりますのでええ、彼が良いのなら
それじゃ…元気でね
勿体ないお言葉です
幽々子様もお元気で
出来るなら、もっと自分の心に正直に行動すると良いですぞ
案外そちらのほうが幸福になるやも知れませぬどういう意味かしら?
その言葉の通りです
それでは…また次のクリスマスにでもお会い致しましょうサンタはクールに去るぜ