ミスティア
バレンタインのチョコレートケーキ。
妖夢が失敗した理由がまったく分からない。
私は何もしていない。
というより、何かしたではなく、何かがあったのではないのだろうか？
あのチョコレートケーキを身体を張って食べ切った彼なら知っているのかしら？

それにしても、彼女が結構乗り気な気がするけれど、気のせいなのかしら？
そしてあの言葉…「本当に私に作って欲しいんですか？」
これは振りだろう、多分。
前に言った言葉をもう一度言って欲しいと。
彼女の顎を上げ、目線を私に合わせる。
そして、今一度あの台詞を言う。


はたて
少し自信をなくしているように見える。
私の提案したアレが出来なかったからかしら？
でも、普通のチョコは渡したみたいだから、想いは通じたはずだ。
もっと自信を持てば良い。
そう思った私は、彼女を抱きしめた。