「一線を越えた後」
…何だか不思議よね
貴方が幻想郷に迷い込んで、ここに住むようになって、そして今私の隣にいる
少し前の私だったら考えられない行動よ
これでも身体については簡単には許さないつもりだったのだけれど…
寂しかったのかしら
正直な話、今でも私は貴方を元の世界に戻したいと思っているの
貴方は私の大事な人
だからこそ、元の世界で幸せに暮らして欲しいから
私が決して手にすることの出来ない幸せを…
でもね、こうも思っていたのよ
私は貴方とずっと一緒に暮らしたいと
まあそれは私の我儘だから、貴方が私に迫ってきた時もそれを隠したのよ
私の我儘で貴方の一生を台無しにするわけにはいかないし
我ながら矛盾しているわね、思考が
…ねえ、もしだけれど
もし私に子供が授かれたら…嬉しい?
いえ、聞くまでもないわよね
自分に子供が出来てうれしくないはずがないものね
…よし!
それでは頑張りましょうか!
私は我儘なのだもの
欲しいものは手に入れて見せるわ
この幻想郷なら様々な手段があるでしょうし
…え?
そちらの意味で取ったの?
ふふ、まあそちらも勿論頑張らないといけないわよね♪
あ、そういえば言い忘れていたことがあるわ
あの時は顔もぐしゃぐしゃだったし、感情的になってたから何を言っていたのかも覚えていないし
ほら、顔を向けて
(ちゅっ)
愛しているわ、貴方
おしまい