(眠るあなたが鈴の名前を呼ぶ。
寝冷えしてはよくないと布団をかけ直してくれた鈴は、
目をぱちくりしていた)

……どんな夢みてんだろ。
こいつ、夢でも僕と話してんのかな。

(ひとり、あなたに届かないだけの距離と、音量とで、そう呟く鈴。
いつか寝言に返事をしてはいけない、と聞いたことがある。
あなたの見ているものが楽しい夢であればいいな、と、
返事をしないままに鈴は思ったのだった)
寝言で名前を呼ぶ