相も変わらず平和な幻想郷。ここ最近は大きな異変もなく平和と言えば平和だが、こんな時は気も緩みがちである。この平穏な時に俺は……

貴方「ゴホッ、ゴホッ……」

風邪をひいていた。まったくもって情けない話ではある。

体調が悪いということは白蓮も知っており、こうやって布団を敷いて眠るようにと言ってくれていたが、そうもいかないのだ。

白蓮「私たちのことはいいですから体を治すことに専念して頂戴な」
貴方「しかし明日は……」

明日はここ命蓮寺で宴会を開催する。お酒の飲めない白蓮に代わって俺が企画したのだが、主催者がこんなザマではどうしようもない。白蓮さんが立ち去ると俺はのっそりと部屋を抜け出した。

何としても今日中に体調を回復させねば。

(青年移動中……)

貴方「賭けにはなるが……」

フラつく足取りでアールバイパー格納庫にたどり着くと、コクピットに乗り込む。明らかに様子のおかしい俺を河童が引き留めてきた。

にとり「そんな状態でどこに行くつもりさ?」

暖かくして体を休めるのが一番ではあるが、ここ幻想郷には非常に優秀な病院がある。そう、月の住民が営む永遠亭だ。あそこならたちどころに風邪を治す薬とかもあるかもしれない。

貴方「永遠亭だ。何としても明日には元気にならないと」

そんな俺の思惑を多少は汲み取ったのか。にとりは深くため息をついた。

にとり「○○のことだ。どうせ止めても無駄だろう? 永遠亭ならアールバイパーに座標軸を登録しているから自動運転で向かうといい。途中で凶暴な妖怪に出くわしたら戦おうとせずに逃げること。いいね?」

朦朧とする意識の中、どうにか指示通りにアールバイパーを起動。操縦かんを握らずとも銀翼はゆっくりと飛翔を始めた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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