こんな状態でいきなり空中にさらわれたらひとたまりもない。危うく胃袋の中身をぶちまけそうになるのを何とかこらえると、今の状況を確認する。

何者かが俺の背後から抱き付いて空を飛んでいるようなのだ。背中に何か当たっている気がするが、今はそれを気にしている場合ではない。万が一取り落としたら大惨事である。そしてこんなことするのは……

貴方「天狗か、天狗の仕業か!」
文「ご名答です♪ 姿も見えないのに胸の感触だけで当てるとは○○さんもなかなかのやり手ですね」
貴方「ちがわいっ/// つーかなるべく早く降ろしてくれ。マジでリバースする……」

リバースと聞いてから文の動きが大人しくなる。話を分かってくれてよかった……。

貴方「でも助かったよ。あのまま延々と絡まれると思うと……」
文「いえいえ、大事な大事な○○さんですもの。何かあってからでは遅いです♪」

やたら押し付けてくる以外は無害なので後は地上に降りるだけなのだが、甲高い声を上げて別の鴉天狗が近づいてきた。

はたて「あーっ! また独り占めしてる!」
文「し、心外ですね! 私は怖い鬼に絡まれてる○○さんを助けたのですよ」
はたて「それじゃあその凶器を押し当ててないで早く降ろしてあげなさいよ」

鴉天狗二人がそろうとやかましいことこの上ない。この後もヒートアップしてついに弾幕沙汰にまで発展する。

貴方「危ない危ない! やりあうなら俺をまず解放してくれ!」
文「そうはいきません。他の妖怪に襲われては一大事。ちゃんと守ってあげますから……」

だが、人間一人抱えてまともに弾幕出来るはずもなく、文は被弾。その衝撃で俺は空中に投げ出され自由落下してしまう。

この高さから地面に叩きつけられたらまず命は助からないぞ……。

覚悟を決めて両目を固く閉じるがふわりとした感触に包まれた。何者かが落っこちる俺をキャッチしたのだろうか? 恐る恐る眼を開いてみると……



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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