この俺に安息の時は来ないのか。予想外の相手からたたき起こされた俺はいまだアルコールの影響でまともに働かない頭をフル回転して状況をまとめることにした。
俺は慣れない宴会の幹事を務めていたが、疲れてしまい幽香の膝枕で仮眠を取ろうとしていたところだったが、ここにきて遠巻きにチラチラと様子をうかがっていた雛が大声を上げたのだ。俺から悪い「気」が出ていると言って。
雛「彼が貴女のふるまうお酒を飲んでから何か嫌な気が彼から出ているのよ。正直に答えて。彼に、○○に変な薬でも盛ったわね? そのご自慢のカクテルとかに」
く、薬!? それってまさか毒薬……。いやいや、頭がグワングワンしているのはアルコールのせいだし少なくとも即効性の毒ではない筈。というかそんなはずないだろう。発想が物騒すぎるぞ。
幽香「薬ィ? 酷い事言うわね」
俺に向けていた柔らかな微笑みは消え失せ、戦う女の顔に戻っていた。そのまま飲みかけのカクテルの入ったグラスを手にすると、それを豪快に飲んで見せたのだ。
幽香「貴女の言うことが正しいのなら、こんなことはできないわね? どこに毒薬入りと分かっている飲物をガブガブ飲む大馬鹿者がいるのかしら? ○○と上手く絡めないからって変な言いがかりはよしてくださる?」
実質論破されたようなもの。雛は言葉を失い、震えながらカチカチと奥歯を鳴らしていた。そして雛には気の毒だが俺もほっと胸を撫で下ろす事が出来た。特に変なものを盛られたわけではないと分かって。
幽香「そ・れ・と・も、最初から私と美味しくお酒飲んでる○○を奪い取ろうって魂胆なのかしら? それならば……」
ニッコリとほほ笑む幽香。だが、俺に見せた裏表のない奴ではない。あれは殺るときの目つきだ。雛ー逃げて、超逃げてー!
幽香「奪えるものならやってみなさいな。さあ、どこからでもかかってきなさい!」
何処からか日傘を取り出し、戦闘態勢を取り始める。だぁー、結局こうなるんかい! もちろんそんな挑発には乗らない……というか乗れない雛。そりゃそうだ、実力が違すぎる。困ったと言わんばかりにジリジリと後ずさりする。完全に戦意喪失しているようだ。
彼女が賢い選択をしてくれてよかった。これ以上いざこざは……
???「いいえ、その厄神様の言い分は正しいですよ」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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