ひぃひぃ……。それにしても酷い目に遭った。

あのまま幽香さんの介入がなかった場合はどうなっていたのだろうか?

邪魔……もとい助けが来なかった場合の展開が脳裏をよぎり、俺はブンブンと頭を振る。いかんいかん、そんなことになったら白蓮さんに合わせる顔がなくなる。

まとわりつく煩悩と格闘しているとやたらと青白い顔をした早苗さんを見つける。ぐったりしており飲み過ぎたのだなというのが容易に想像つく。同じ卓にいたのだろうか、アワアワと慌てふためいているのは秋姉妹のお姉さんの方。

静葉「小さいグラスのビールを一気にあおったかと思うと『この幻想郷では常識にとらわれてはいけないのです!』とか言い出してお酒飲めないのにガブガブと……」

ああ、面倒くさいモードになっちゃったのか。で、体の方が耐えきれなくなって現在に至る……と。

早苗「あ、○○さん。この幻想郷では……」
貴方「もういい、喋るな。あんたはよくやったよ。さあ、白蓮さんのところへ行こう!」

ヨイショと早苗さんを背負うと白蓮さんの待つセーフティゾーンへと歩みをすすめる。すでに宴会会場はカオスに包まれており、ちょっとした弾幕ごっこが発生したりそれを引き留めんとする少女が出てきたりと大変なことになっている。

とても俺一人で全部をどうこう出来るレベルではない。でも今は早苗さんを助けないとね。今の彼女は俺の背中に顔を埋めてすぅすぅと寝息を立てている。

早苗「おっきな背中~♪ おんぶおんぶー。むにゃ……」

小さいころの夢でも見ているのだろうか? 俺は父親でも兄貴でもないがとにかく今は守らなければならない対象である。重たいとか背中にたわわなモノが当たっているとか気にしている場合ではない。俺も気合を入れて歩みを進めた。

ようやっと宴会会場の最奥、ソフトドリンクとお菓子のたくさん置かれたセーフティゾーンが見えてくる。ここはお酒の飲めない白蓮さんが酒に潰れた皆を無慈悲なる酔っ払いから守ってくれる場所だ。

貴方「白蓮さん、早苗さんが……あれ?」

だが、この「聖域」を守る彼女の姿が見えない。白蓮さんがお酒を飲むのは考えにくいのでお手洗いにでも行っているのだろうか? あるいはイタズラが過ぎる誰かを南無三しに行ったか……。とにかく泥酔した早苗さんを一人でそのままにするわけにはいかない。

貴方「しゃーない、白蓮さんが戻るまで俺が介抱するか……」

こんな時だというのに保護者は何をしているんだと一瞬憤ったがあの神様達の顔を思い浮かべるとこれも仕方あるまいと肩を落とす俺なのであった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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