どれくらいの時間がたったのだろうか? 酔っ払いの介抱をしていると甘ったるい声がこちらに向かって語り掛けてきた。

青娥「あらあら、魔住職サマの居ぬ間に浮気とは随分な方ですわね。やっぱり若い子がいいのかしら? くすくす……」

こいつは……。年頃の男女が二人揃えば即浮気とか滅茶苦茶なことを……。まあ熱くなっても意味ないし、このわからず屋の為に丁寧に説明してやろう。

貴方「俺は今回の宴会が滞りなく進むかを見て回っているだけだ。でも今は見回りで見つけた泥酔した子の介抱が優先。お前が期待しているようなことは何一つ起きていない。……納得したか?」

が、そんなのお構いなしに俺が早苗さんに鞍替えしたこと前提で勝手に話を進めていく。

青娥「わたくしではなくてその巫女の小娘ってのが癪に触りますが……。ところで悪の大王サマはこの席がお気に入りだったというのにどこへ行かれたのでしょうね?」

そうだよ。「聖域」にいるはずの白蓮さんが、お酒が飲めない我らが住職サマが「聖域」を離れるだなんてことはあり得ない。こいつまさか……! 俺は早苗さんの頭を折りたたんだ座布団に優しく乗せると、薄ら笑いを浮かべる邪仙に食って掛かる。

貴方「貴様、白蓮さんに何をした!?」

しかし、いやこの場合は「案の定」か、俺が伸ばした腕をするりとかわすとニタニタと笑いながらこいつは続ける。

青娥「あらやだ、いくらわたくしでも魔住職サマに直接『毒』を盛るだなんて無謀なことはしませんわ。あんなに強いんですもの。直接手をかけるなんて自殺行為ですわよ」

狼狽える俺を見て本当に楽しそうに薄ら笑いを浮かべてやがる。コイツの言う事が本当なら、毒(おそらくテキーラのような高濃度アルコール飲料のことだろう)を白蓮さん以外の誰かに盛ったことになる。

誰に盛ったんだ? 早苗さんか? いや、彼女が泥酔した理由は自分からガブガブ飲んだだけなので違うだろう。というよりコイツが関わっていたら静葉さんが何かしら言及している筈。ではいったい誰を……?

青娥「とにかく、わたくしは悪の大王サマに変なものは盛ってませんわ。さて、困り顔も飽きてきたのでもう少しヒントを。やはり……○○は似ているますわね、あの魔住職サマに。正義感にあふれて、誰にでも優しく接しようとして、自分ではない誰かが苦しむ姿を見ることが何よりもの苦痛で……。だけれどその本質は邪悪一色のあの魔住職サマに……」

貴方「黙れ!! 白蓮さんのことをこれ以上悪く言うと……」

無意識下に俺はこの青い仙人の胸ぐらを掴んでいた。こんな状態だというのに顔色一つ変えない。こちらを小バカにするように小さく「きゃっ」と言うだけだ。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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